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太陽光パネルリサイクルで用いられるブラスト工法

目次

太陽光パネルは、ガラスやアルミフレームなど複数の素材で構成された太陽光発電システムの部品です。近年では埋め立てに頼らず、使える素材を再利用するためのリサイクル技術に注目が集まっています。ここでは、太陽光パネルリサイクルに用いられる「ブラスト工法」について、仕組みやメリット・デメリットを紹介します。

太陽光パネルリサイクルにおけるブラスト工法とは

ブラスト工法の仕組み

ブラスト工法は、太陽光パネルのガラスやシリコンなどの素材を分離するための工法です。

粒状の投射材料をガラスの表面に吹き付けてガラスを剥離しますが、ガラスの真下にあるシート面にはシリコンセルの封止材が使われているため、投射材料の影響を受けないよう、この層が保護の役割を果たします。従来は困難だったガラスとシートの分離を、損傷を抑えながら行えます。

ブラスト工法のメリット

ブラスト工法を利用することで、太陽光パネルの材料を効率的に分離し、良好な状態で回収できます。

リサイクル可能な材料を、従来よりもダメージのない状態で取り出せます。再利用する素材の品質を維持する場合に適した方法です。

他の方法に比べ、有害物質の排出が抑えられるため、環境負荷が低い点も特長です。処理速度が速く、リサイクル工程のコスト削減や省人化にも寄与します。

ブラスト工法のデメリット

ブラスト工法は高圧のエアーや水を使用するため、専用の設備機器が必要になります。リサイクル工場における初期投資コストが高くなる可能性が考えられます。

また、作業は高圧下で行われるため、繊細な材料が損傷するリスクを考慮する必要があります。

作業環境によっては騒音や粉じんが発生する場合があるので、作業環境や周辺環境、作業者への影響を十分に考慮し、適切な対策を講じる必要があります。

ブラスト工法を用いた太陽光パネルリサイクル装置の事例

太陽光パネル カバーガラス剥離装置

ブラスト工法によって太陽光パネルを剥離する太陽光パネルのカバーガラス剥離装置の事例です。

災害で壊れてしまった製品や自動車のフロントガラスにも対応し、パネルのメーカーや型式・形状・大きさを問わず剥離できます。また、設置場所の屋根の大きさに合わせられる「ルーフィット設計型」のパネルにも対応しています。

※参照元:未来創造株式会社公式HP(https://mirai-souzou.co.jp/recycle-solar/

カバーガラス剥離装置

1枚の太陽光パネルにつき約4分で処理が完了するカバーガラス剥離装置です。

同社では太陽光パネルについて、リユースできるものとリサイクルするものに選別し、リユースの場合は剥離などをせずに中古パネルとして販売しています。

リサイクルの場合は、カバーガラス剥離装置によって金属・ガラス素材ごとに分離し、環境負荷を低減しながら処理します。素材ごとに分解できないものはシュレッダー処理にかけられます。

※参照元:山美商店株式会社公式HP(https://www.yamami-syouten.com/service/solar_panel/

太陽光パネルリサイクルの基礎知識を習得しよう

太陽光パネルにはリサイクルに適した素材が使われており、損傷を与えずに分離する技術として、ブラスト工法が注目されています。

当サイトでは、太陽光パネルのリサイクル方法やリサイクル装置について解説しています。リサイクル装置の導入前に知っておきたいポイントをまとめたページも参考にしてください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前に
知りたいことついて詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
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