産業用太陽光パネルのリサイクル
産業用太陽光パネルは、優れた発電能力と出力性能を持つ太陽光発電システムです。一般家庭向けの太陽光パネルよりも大規模に設置されるもので、耐久性やエネルギー効率を考慮して設計されています。ここでは、産業用太陽光パネルの概要と住宅用との違い、リサイクル事例について紹介します。
産業用太陽光パネルとは
産業用太陽光パネルの概要
産業用太陽光パネルは、公共・商業施設や工場の屋上、企業が保有する空き地などに設置する太陽光発電システムです。
住宅用と呼ばれる一般家庭向けの太陽光パネルよりも広範囲での設置を想定して設計されています。その多くが事業目的で使用されるため、耐塩害性や耐腐食性が強化されたものも存在します。
実際に産業用太陽光パネルが設置されている例として、全国の学校や教育施設では、屋上やグラウンドなどの空きスペースに太陽光パネルを設置し、電気量の確保や環境教育に使用するケースがみられます。
住宅用太陽光パネルとの違い
産業用太陽光パネルと住宅用太陽光パネルの違いは次のように分類されます。
産業用 | 住宅用 | |
---|---|---|
出力容量 | 10kW以上 | 10kW未満 |
設置場所 | 工場や施設の屋根・広い土地 | 屋根・庭・カーポート |
売電方法 | 全量買取 | 余剰買取 |
特徴 | 自家消費用の電力や売電収益が得られる | 自家消費用の電力や災害用の電力が得られる |
産業用太陽光パネルは10kW以上の出力を実現し、発電した電力はすべて売却できる「全量買取」の対象です。
ただし、事業者や公共施設が発電した電気をすべて買取に回すわけではありません。省エネや電気代削減の一環として売電せず自家消費を行うケースもみられます。
産業用太陽光パネルリサイクルの対応事例
リユース促進のための取り組み事例
丸紅では、使用済み太陽光パネルのリユースを促進させる取り組みとして、売却を希望する個人や事業者を結びつける独自のプラットフォームを運営しています。リユース希望の太陽光パネルを全数検査し、絶縁抵抗測定や電流‐電圧測定を含む検査を実施します。リユース品として買取の可否を判断しますが、購入の対象は産業用の太陽光発電所に設置された太陽光パネルのみとなっています。
専用装置を使ったリサイクル事例
東京電力グループでは、自然災害や経年劣化によって廃棄処分となる太陽光パネルのリサイクルを実施しています。専用の装置を使用し、産業用太陽光パネルに特化した処理を行います。電子マニフェストに対応しており、シリコン系だけでなく単結晶や多結晶の産業用太陽光パネルにも対応しています。
産業用太陽光パネルリサイクルの対応を検討しよう
産業用太陽光パネルは、公共・商業施設や法人が所有する空き地などに設置する太陽光パネルです。
事業目的で使われることが多く、一度に多数のパネルを設置することから、耐久性が高く長寿命の製品が多くみられますが、不要になった場合、一度に廃棄されることで産業廃棄物が多量に発生する可能性があるため、リサイクルやリユースを検討することが重要です。
すでに多くの事業者が産業用太陽光パネルのリサイクルに向けた取り組みを進めています。リサイクルの内容や費用対効果、環境への貢献度などを考慮し、廃棄からリサイクルへの転換を検討してみてはいかがでしょうか。
当サイトでは、太陽光パネルのリサイクル方法について、把握しておきたいポイントや装置などを紹介しています。以下のページもぜひ参考にしてください。