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太陽光パネルリサイクルの特許

太陽光パネルのリサイクル方法は、特許の対象となる技術として申請が可能です。太陽光パネルリサイクル装置の導入を検討している方に向けて、リサイクルと特許制度の関係について解説します。

太陽光パネルリサイクルに関連する特許出願数が増加した背景

太陽光パネルのリサイクルに関する特許出願件数は、2012年を境に増加傾向にあるとされています。この2012年は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)がスタートした年でもあります。

FIT制度とは、再生可能エネルギーによって発電された電力を、電力会社が国の定めた価格で買い取ることを義務づけた制度です。自家発電量が消費量を上回る場合、余剰電力の売電によって収益を得られるケースも多く見られました。

制度開始以降、太陽光発電の普及が急速に進んだことを背景に、使用済みパネルのリサイクル技術にも注目が集まり、関連する特許出願が増加したと考えられます。

※参照元:【PDF】経済産業省資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック2018年版」(5ページ)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2018_fit.pdf

特許技術を用いた太陽光パネルリサイクル装置の事例

ガラスわけーるⅢ型システム

株式会社環境保全サービスは、太陽光パネルのリサイクル装置「ガラスわけーるⅢ型システム」に関する特許を取得しています。
このシステムは、太陽光パネルのリサイクル工程を全自動化したもので、異物を自動的に分別する機能を備えている点が特長です。

従来は手作業で行われていた複雑な処理を省略できるうえ、2025年3月時点で100%リサイクルの実用化を実現しており、効率的かつ高精度なリサイクルを可能にする装置として、今後の導入効果が期待されています。

ガラスわけーるⅢ型システム
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佐久本式ソーラーパネル熱分解装置

佐久本式熱分解装置は、二酸化炭素を排出せずに太陽光パネルをリサイクルできる装置です。日本とインドで特許を取得しており、中国では実用新案権を取得済み。2025年3月時点では、アメリカ・中国・ヨーロッパでも特許出願が進められています。

この装置では、ガラスとセルを個別に分別する工程が不要で、1枚あたり約2分という短時間で処理を完了できるのが特長です。

※参照元:株式会社新見ソーラーカンパニー
https://niimi-solar.co.jp/service/atmos/

佐久本式ソーラーパネル熱分解装置
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移動式太陽光パネルリサイクル装置

ウォータージェット工法の超高圧水をセル側からパネルに当て、セルとガラスを分離するリサイクル法です。原型のサイズのまま分離できるため、より効率的なリサイクルが可能となります。自動化装置の開発も進行中と報告されています。

※参照元:新虎興産
https://shintora.co.jp/news/topics/4520/

その他の太陽光パネルリサイクルの基礎知識について確認しよう

太陽光パネルのリサイクルに関連する特許出願は、FIT制度が導入された2012年以降、急増しています。今後も太陽光パネルの需要が高まり続けることが予想されるなか、新たなリサイクル技術の開発にもますます注目が集まるでしょう。

太陽光パネルリサイクル装置の導入を検討する際には、特許情報だけでなく、さまざまな知識を事前に把握しておくことが大切です。以下のページでは、装置導入にあたって知っておきたい基礎知識をまとめています。ぜひご一読ください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前に
知りたいことについて詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
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