レーザー技術を用いた太陽光パネルリサイクル
太陽光パネルリサイクル装置の中には、レーザー技術を用いたものがあります。どのような技術であり、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
レーザー技術を用いた太陽光パネルリサイクルの特徴
レーザー技術を用いた太陽光パネルリサイクルとは、専用の装置を利用してレアメタルを効率的に分離・回収する技術です。
太陽光パネルにはインジウム・ガリウム・セレンなどのレアメタルや、貴重金属である銀が含まれます。パネルの上にパルスレーザー光を照射し、パネルから金属類を剥がすメカニズムです。レーザー光を照射すると熱膨張が生じるため、金属膜への作用によって剥離が容易になります。
レーザー技術を活用したリサイクル手法により、太陽光パネルのリサイクル効率が大幅に向上します。従来は、パネル内に使用されている金属類の分離・回収が困難でしたが、レーザーを用いることでそれらを効率的に剥離・抽出できるようになります。また、シリコン材料の再利用も可能となり、パネル全体のリサイクル率向上にもつながります。
レーザー技術を用いた太陽光パネルリサイクルの将来性
レーザー技術の導入により、太陽光パネルリサイクルの展望は広がると考えられています。太陽光発電は再生可能エネルギーを生み出しますが、パネルのリサイクル率が低いと環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。
しかし、レーザー技術によって金属類やシリコンを効率よく分離できれば、環境への負荷はさらに軽減されるでしょう。廃棄物の大幅削減につながり、太陽光発電がより広く普及する可能性があります。
レーザー技術を用いた太陽光パネルリサイクルの事例
移動式太陽光パネルリサイクルシステム
ドイツのFLAXRES社では、パルスレーザーを使用する移動式太陽光パネルリサイクルシステムを開発しました。毎日10トンの太陽光パネルをリサイクルできる施設も運用しており、1モジュールあたりのリサイクルにかかる時間はわずか10秒です。
化学物質も使用しておらず、環境への負荷を軽減しながら材料を生産に戻すことが可能になるかもしれません。
※参照元:EECC
(https://eecc.jp/2022/08/10/news-50/)
太陽光パネルに含まれる銀をナノ銀として抽出する装置
韓国のリセットカンパニー社は、太陽光パネルからフレーム、J-Box、ガラスを分離するだけでなく、含有されている銀をナノ銀として抽出する装置を開発しました。
リサイクル効率を向上させながら含まれる金属を無駄にせず、抽出した金属を販売することで利益も見込めるシステムです。
※参照元:SMART ENERGY WEEK 2025
(https://www.wsew.jp/spring/ja-jp/search/2025/product/product-details.exh-d80c1f91-e5dc-4343-8744-8ba0a32edfa5.太陽光パネルリサイクル装備.pro-4efb5640-2416-4fc5-bb98-a97fb8e56d1c.html#/)
他にも太陽光パネルリサイクルの基礎知識を確認しよう
レーザー光を使用する太陽光パネルリサイクル装置の開発が進んでおり、将来はさらに効率的なリサイクルが進むと考えられます。レーザー光を使えば金属やシリコンの剥離が短時間で進むでしょう。
これから太陽光パネルリサイクル装置の導入を検討しているなら、まずはリサイクル装置に関する基礎知識を身につけなければなりません。以下の記事では、太陽光パネルリサイクル装置の導入前に知っておきたい知識についてまとめています。ぜひ参考にしてください。