有機系太陽光パネルのリサイクル
有機系太陽光パネルとは、有機系太陽電池を使用した太陽光パネルのことです。ここでは、有機系太陽光パネルの概要やリサイクル事情について紹介します。
有機系太陽光パネルとは
有機系太陽光パネルとは、有機物を使って作られた太陽電池を搭載した太陽光パネルのことです。有機物とは、炭素を含んでいる物質や生体内で反応を起こして生まれる物質です。ペロブスカイト(灰チタン石など)・有機半導体・塗料を使用した色素増感などが太陽光発電に用いられています。
太陽光パネルにはシリコン系や化合物系などいくつかの種類があります。無機系の太陽光パネルとしては、無機物のシリコン(ケイ素)を原料とするシリコン系や、複数の元素からなる化合物を用いた化合物系があります。
ペロブスカイトは、ペロブスカイト結晶構造をもつ物質の総称です。灰チタン石が代表的な材料として挙げられ、ペロブスカイト結晶構造物質で作った太陽光パネルは軽量かつ薄型になります。
色素増感は、酸化チタンに色素を塗布して光に反応させる仕組みです。少量の原材料で生産できるためコストパフォーマンスに優れています。有機半導体は、液状にした素材をプラスチックなどに吹き付けて作る仕組みです。薄膜状のパネルになるため、有機薄膜太陽パネルとも呼ばれています。
有機系太陽光パネルのリサイクル事情
有機系太陽光パネルのなかには、有害物質を含むものもあります。鉛や臭素などの物質は人体や環境に有害なため、有害物質を分離し、再利用が可能な素材はリサイクルに回すなどして適切に処理しなければなりません。
2021年の調査結果では、太陽光パネルのシェアはシリコン系が主流であり、太陽電池モジュール生産量全体の97%を占めています(※1)。化合物系太陽光パネルも一部で用いられている状況で、リサイクル業者の間で有害物質に関する情報共有と適切な処理プロセスの構築が課題となっています(※2)。
有機系太陽光パネルの実用化事例として、株式会社MORESCOの有機薄膜太陽電池「MORESCO-OPV Flexi」があります。持ち運びもできる薄型のパネルは、一般的な太陽光パネルよりも廃棄する部分が少なく、従来品の約1万分の1に廃棄量を抑えられます(※3)。
有機系太陽光パネルのリサイクルを検討しよう
有機系太陽光パネルは新しい技術のため、今後さらに普及していくと考えられます。鉛などの有害物質が含まれている場合は、処理業者に伝えたうえでの適切な処理とリサイクルが必要です。
当サイトでは、太陽光パネル専用のリサイクル装置について、種類やメーカーごとに特徴を紹介しています。廃棄やリサイクルに関するトピックもぜひチェックしてください。