太陽光パネル廃棄が最終処分場に与える負担
太陽光パネルが寿命を迎えたときは、適切な方法で処理する必要があります。万が一そのまま廃棄すると、最終処分場にはどのような負担がかかるのでしょうか。ここでは、太陽光パネルの廃棄によって最終処分場に与える負担と、リサイクルの重要性を紹介します。
廃棄物の最終処分場とは
廃棄物最終処分場とは、資源化されずに廃棄された物を中間処理施設で焼却・破砕・脱水してから、埋め立て処分する場所です。廃棄物には「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類があります。再利用できない廃棄物はすべて最終処分場に持ち込まれ、安定的かつ生活環境に支障をきたさないように貯留されています。
太陽光パネルの大量廃棄による最終処分場の負担増加
制度終了にともなう負担増の可能性
2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)によって、太陽光パネルの導入件数は加速度的に増加しました。一般的な太陽光パネルの製品寿命から計算すると、2040年頃にはFIT事業の終了とともに大量の太陽光パネルを含む廃棄物が処理にかけられると予想されています(※1)。
一度に多くの太陽光パネルと付随する設備が廃棄されると、処理業者の負担が増えます。中間処理施設や最終処分場も高稼働の状態となり、業者と施設への負担が増える可能性があるのです。
※1参考元:【PDF】資源エネルギー庁「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題」(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/taiyoukouhaiki.html)
最終処分場のコストが増える問題
太陽光パネルが廃棄されると、最終処分場では金属くずやコンクリートくずなどを分類して埋め立てます。廃棄量が増えるほど最終処分場の土地がいっぱいになり、処分にかかる人件費やその他のコストも増加します。廃棄の過程で発生した浸出水を浄化するための水処理施設も稼働しなければなりません。
最終処分場は埋め立てが完了したあとも長期にわたって維持管理コストがかかるため、太陽光パネルの大量廃棄は最終処分場の負担増につながります。
最終処分場の負担を軽減する太陽光パネルリサイクル
太陽光パネルのリサイクル
最終処分場に持ち込まれる太陽光パネルの廃棄物を減らすためには、処分やリサイクルを行う事業者が、処分以外の方法を検討することが大切です。環境省が公表している「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」では、太陽電池モジュールなどは廃棄物処理の手続きをとる前に、発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再生利用(リサイクル)を行うよう、優先順位を定めています(※2)。
※2参考元:【PDF】環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」 (8ー11ページ)(https://www.env.go.jp/press/files/jp/110488.pdf)
太陽光パネルリサイクルを推進して最終処分場の負担を軽減しよう
太陽光パネルには、再利用可能なガラスやアルミ、金属が含まれています。素材ごとに回収し再利用や再生利用させることで、最終処分場への負担を抑え、資源の有効活用にも役立てられるでしょう。
当サイトでは、太陽光パネルのリサイクルに使われる装置を紹介しています。選び方や特徴の違いなどを取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。