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太陽光パネルに含まれるレアメタルのリサイクル

目次

太陽光パネルには、地球上に存在する希少な非鉄金属・レアメタルが含まれています。産出量自体が少なく、埋蔵量に限りがある金属ですが、電子部品や光触媒などさまざまな用途で使用されており、今後も重要な材料として注目されています。ここでは、太陽光パネルに含まれるレアメタルの種類と製品との関係性、リサイクル事例について紹介します。

レアメタルとは

レアメタルとは、ガリウムやネオジム、リチウムといった非鉄金属を指す言葉です。

産出量が多く、一般的に利用されている鉄や銅はベースメタルと呼ばれており、金や銀のように宝飾品としての価値もあるものは貴金属と呼ばれています。レアメタルはそれらとも異なる31の鉱種です。

電気自動車やモバイルバッテリーで知られるリチウムをはじめ、医療や環境など身近な場所で多く使われています。近年では自然エネルギーを使う発電にもこのレアメタルが重宝され、さまざまな設備や製品の材料に導入されるようになりました。

太陽光パネルとレアメタルの関係性

太陽光パネルは、シリコン・化合物・有機物といった材料で造られています。このうち、化合物系と呼ばれる種類の太陽光パネルにはレアメタルが使用されています。

化合物系太陽光パネルのセル部分には、太陽光を効率的に吸収することからインジウム・ガリウム・セレンなどのレアメタルが含まれています。銅(Cu)・インジウム(In)・セレン(Se)を主な原料とする「CIS」系太陽光パネルは、化合物系太陽光パネルの代表例です。

しかし、レアメタルは産出量が限られているため、ベースメタルと同じように使うことができません。そのため、レアメタルの使用量を抑えたり太陽光パネルの性能を向上させたりといった方策が今後の課題となっています。

太陽光パネルに含まれるレアメタルのリサイクル事例

レアメタルの回収に成功した事例

公益財団法人宮崎県産業振興機構によると、CIS型太陽光発電パネルの規格外品を対象に、レアメタルと基板ガラスの回収を行う研究を実施したところ、レアメタルを剥離させて取り出すことに成功しました。

レアメタルにはインジウム・ガリウム・セレンが使われていましたが、それらをひとつの集合体として取り出せたことで、今後需要が増加すると考えられる廃棄済み太陽光パネルのリサイクルに貢献する技術が確立できました。

参照元:公益財団法人宮崎県産業振興機構「平成24年度:CIS型太陽光発電パネルの製造工程規格外品からのレアメタル回収及び基板ガラスの再利用技術開発」(https://www.mepo.or.jp/shienjirei/541.html

太陽光パネルに含まれるレアメタルのリサイクル事情を把握しておこう

太陽光パネルには多様な材料が使用されており、発電を行うセル部分にはレアメタルといった希少な金属が使用されています。

ガラスやアルミ・ステンレスなどの素材も再利用可能ですが、レアメタルはそれ自体が希少な物質のため、回収によって持続可能性が高まり、環境への影響を軽減できます。

国や地方自治体ではすでに太陽光パネルの適切なリサイクルに向けたルール設定を進めており、今後リサイクルへの取り組みが一層進むと考えられます。

当サイトでは、太陽光パネルのリサイクル装置とリサイクル事業について取り上げています。太陽光パネルの特徴や種類、リサイクルに合わせて知っておきたいポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前に
知りたいことついて詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
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