シリコン系太陽光パネルのリサイクル
環境保護や持続可能なエネルギーの活用を目的に、太陽光パネル(ソーラーパネル)の活用が進んでいます。国内では「シリコン系」と呼ばれる太陽光パネルが普及していますが、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、シリコン系太陽光パネルの概要とリサイクル事情について紹介します。
シリコン系太陽光パネルとは
シリコン太陽光パネルとは、自然界に存在する珪石を還元し、ケイ素(Si)の純度を高めた金属・シリコンを素材とする太陽光パネルです。シリコン系と呼ばれる太陽光パネルには「単結晶」「多結晶」「微結晶」「非晶質」があり、違いは次のとおりです。
- 単結晶
高純度のシリコン素材を使用。結晶粒が大きく光の変換効率が高い - 多結晶
純度の低いシリコンを使用。製造コストが安い - 微結晶
非晶質と結晶質を混ぜている。製造コストが安い - 非晶質
アモルファスシリコンと呼ばれる。薄く軽量で安価
太陽光発電システムが普及した1990〜2000年代はシリコンが不足していましたが、薄膜シリコン太陽電池が開発されたことで、原料の使用量を抑えられるようになりました。
シリコン系太陽光パネルのリサイクル事情
一般社団法人 太陽光発電協会では、シリコン系太陽光パネルのリサイクル方法例を次のように紹介しています。(※1)
- 廃棄された太陽光パネルを解体する
- 太陽光パネルからジャンクションボックスとアルミフレームを取り外す
- ガラス・セル・EVA・シートに分離する
- 分離した素材ごとに再利用する
ガラスやアルミなどは再利用できる素材のため、分離後のリサイクル活用が期待されています。ジャンクションボックスに使われている銅やセル・EVA・シート内の金属も再利用できますが、精錬工程で金属を抽出しなければならず、一定の技術力が求められます。
金属などの物質を再利用する過程において、有害物質の処理が課題となっています。近年では有害物質を含まない太陽光パネルが登場し利用されていますが、古いパネルには鉛などの金属が使われているものもあります。(※2)
鉛のような重金属は人体に有害なものが多いため、適切に処理しなければなりません。しかし、太陽光パネルにはシリコン系以外のもの(化合物系や有機系など)も多く、廃棄・処理・再利用のプロセスが確立していないために、不法投棄や誤った方法で処理が行われるリスクがあるのです。(※3)
廃棄から再利用までのプロセスを適切に推進するために、一般社団法人 太陽光発電協会、適正処理を実施できる産廃中間処理業者の名前をホームページに一覧で掲載しています。
シリコン系太陽光パネルのリサイクルを検討しよう
シリコン系太陽光パネルは、国内でもっとも普及している太陽光パネルです。初期に製造された製品など有害物質を含むものも少なくないため、政府や太陽光発電協会の公的な情報・ガイドラインに沿って適切に処理しましょう。
当サイトでは、太陽光パネルのリサイクル装置やメーカーについて紹介しています。以下のページもぜひ参考にしてください。