ウォータージェット工法を用いた太陽光パネルリサイクル
太陽光パネルリサイクルにはウォータージェット工法が用いられることがあります。環境負荷を抑えながら、効率的にリサイクルできる点が、ウォータージェット工法の特徴です。太陽光パネルリサイクル装置導入前に知っておきたい工法をご紹介します。
ウォータージェット工法とは
仕組み
ウォータージェット工法は、超高圧水を利用した施工方法です。主にコンクリートや鉄を粉砕する際に用いられます。口径の小さなノズルから水を勢いよく噴射させ、水の圧力で対象物を粉砕したり除去したりすることが特徴です。
粉砕・除去の仕組みは、水の噴射による衝突圧力を利用し、水のくさび作用を生じさせることによるものです。超高圧水は150~300MPaの圧力を持ち、コンクリートを粉砕できるほどの強度を備えています。
メリット
- 振動・騒音が少ない
- 部分的・表面的な施工を行える
- 環境への影響が少ない
- 幅広い素材に対して適用できる
- ランニングコストに優れている
ウォータージェット工法は振動や騒音が少なく、粉塵も発生しないため環境への影響が少ないことがメリットです。さらに、部分的・表面的な施工が可能で、幅広い素材にも対応できるため、適用範囲の広さも特徴です。
デメリット
- 水溶性の素材には使用できない
- 導入のためにコストがかかる
- 施工精度が低い
超高圧水を用いる工法のため、水溶性の素材は溶けてしまい使用できません。導入コストが高く、施工精度が低い点もデメリットとして挙げられます。
水溶性の素材はもちろん、小さな箇所を限定的に施工したい場合や、高精度が求められる施工にも適していません。
ウォータージェット工法を用いた太陽光パネルリサイクルの事例
バックシート・セルを分離できる技術を開発した事例
この事例では、太陽光パネルのカバーガラスを残し、バックシートとセルのみを分離できる技術が開発されました。ウォータージェット工法を用いて太陽光パネルの裏側から水を噴射し、セルを剥がします。これにより、有害物質が付着していないカバーガラスを原形のまま回収でき、リサイクルを容易にする効果があります。
専用のろ過装置で有害物質を除去できるため、環境に配慮したリサイクル処理が可能です。
※参照元:AMP公式HP
(https://ampmedia.jp/2023/01/10/solar-panel-recycle/)
他にも太陽光パネルリサイクルの基礎知識を確認しよう
ウォータージェット工法を用いた太陽光パネルリサイクルでは、環境への影響が少なく、ランニングコストも比較的低いとされる点がメリットです。ただし、採用にあたってはデメリットについても十分に理解しておく必要があります。
太陽光パネルリサイクル装置を導入する前に知っておきたいことは、ウォータージェット工法に関することだけではありません。以下のページでは、太陽光パネルリサイクル装置を導入する前に押さえておきたい基礎知識を整理して紹介しています。これから導入を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。