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ハイブリッド太陽電池のリサイクル

目次

ハイブリッド太陽電池は、2種類の異なる太陽電池の間に中間層を挟むことで発電効率を高めた太陽電池です。太陽光が変化しても柔軟に対応できるため、持続可能な太陽電池として注目されています。ここでは、ハイブリッド太陽電池の概要とリサイクル事情について解説します。

ハイブリッド太陽電池とは

ハイブリッド太陽電池は、2種類の異なる太陽電池(単結晶シリコン太陽電池とアモルファスシリコン太陽電池)を組み合わせて発電効率を高めた太陽電池です。太陽電池は4種類(シリコン系・化合物系・有機系・量子ドット系)に分類されますが、ハイブリッド太陽電池はシリコン系に属します。

単結晶シリコン太陽電池の発電効率は高いですが、製造コストの高さがデメリットでした。そこで、製造コストを抑えられるアモルファスシリコン太陽電池を組み合わせて、発電効率の高さとコストの削減を図る太陽電池としてハイブリッド太陽電池が開発されました。

短波長の太陽光を吸収するアモルファスシリコンに対して、単結晶シリコンは長波長の太陽光を吸収して電気に変換します。2種類の太陽電池を組み合わせた感度帯域の広さが、ハイブリッド太陽電池の発電効率が高い理由です。

ハイブリッド太陽電池のリサイクル事情

ハイブリッド太陽電池の属するシリコン系は世界的に広く普及しているため、リサイクル方法も確立されています。ただし太陽光発電所から排出される産業廃棄物の多くを太陽光パネルが占めており、ガラスや封止材を含むタイプには分離の工程が必要になるため、リサイクル効率化の技術開発が求められています。

また電極などのはんだ材料に含まれる鉛など、有害物質の対処方法も課題のひとつです。ハイブリッド太陽電池は2種類の太陽電池から構成されるため、種類ごとの特性に合わせたリサイクルや廃棄処分の方法を選ばなくてはなりません。

以下の研究成果によると、シリコンを含む太陽電池のリサイクルによってシリコンの製造量を減らせるが、再生率の高いリサイクル技術の確立や法制度の整備が必要であると指摘しています。

※参照元:【PDF】筑波大学大学院リスク・レジリエンス工学 学位プログラム「太陽電池の廃棄・リサイクルに関する研究」(6ページ)(https://www.risk.tsukuba.ac.jp/pdf/group-work2006/2006group-2-resume.pdf

ハイブリッド太陽電池のリサイクル事情を押さえよう

ハイブリッド太陽電池は従来型の太陽電池よりも高効率に発電できることから、限られた場所に従来よりも少ない太陽光パネルを設置して電気エネルギーを得られる方法として注目されています。しかし寿命を迎えたハイブリッド太陽電池は、2種類の太陽電池の特性と廃棄方法を踏まえたうえで適切に処分しなくてはなりません。リサイクル技術の確立や導入が課題となっており、リサイクル事業者への周知や適切にリサイクルを実施できる事業者を増やす施策が重要です。

当サイトでは、太陽光パネルのリサイクル方法やリサイクル装置について紹介しています。リサイクル装置を導入する前に知っておきたいポイントをまとめていますので、次のページもぜひ参考にしてください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前に
知りたいことついて詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
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