環境省が公開する太陽光パネルリサイクルのフローとは
ここでは、環境省が公表している太陽光パネルのリサイクルフローについて紹介しています。太陽光パネルは鉛等の有害物質が含まれているため、リサイクルする際は周辺環境に配慮し、下記の流れを参考にして適切な処理を行ってください。
リサイクルフロー
1.利用終了後
太陽光パネルの利用終了後は、リユース可否の判断を行い、解体・撤去工事を発注します。再生可能エネルギー特別措置法で認定対象となっている際は、廃止に伴い、再生可能エネルギー発電設備廃止届出書の提出が必要です。
また、電気事業法第27条第1項の規定で届出を行っている際には、経済産業大臣あてに発電事業の廃止を届ける必要となります。自家用の電気工作物に該当する場合は、経済産業省産業保安監督部へ届出なければなりません。
2.太陽光発電設備の安全管理
太陽光発電設備を解体・撤去するときは、周辺の安全保全を行わなければならず、感電・ケガ・水濡れを防止する対策が求められます。感電の防止には、ゴム手袋・長靴を着用し、絶縁処理された工具で撤去しなければなりません。
ケガの防止には、破損に備えて保護帽・保護メガネなどを着用することが大切です。最後に水濡れの防止には、遮光用シートで被うなどの対策が必要となります。
3.リユース不可能な場合
リユースが不可能な場合は、太陽光パネルを解体・撤去した後、廃棄物処理業者に運搬・収集を依頼します。廃棄物処理業者が処理を実施し、リサイクルを行います。
なお、一般家庭から排出される場合は、解体工事等の事業活動を伴わないために、一般廃棄物に該当する可能性があるので各市町村まで確認が必要です。
4.リユースが可能な場合
リユースが可能な場合は、解体・撤去後に収集運搬を行いますが、再利用するので貨物運送事業者が運搬することが可能です。運搬後にリユースされる運びとなります。
循環型社会形成推進基本法では、発生抑制・再使用・再生利用・熱回収・埋立処分の優先順位に沿って処理することと定められています。
リユースの方がリサイクルよりも優先度が高いため、廃棄物処理の前に中古太陽光パネルを扱う業者や、リユースを行う業者に相談するのが望ましいと言えるでしょう。
太陽光パネル処分時の留意事項
環境省は、太陽光発電設備の所有者に向け、太陽光パネル処分時の留意事項※についても発信しています。
『処分時の留意事項(有害物質等の情報伝達など)
『太陽光パネルメーカー、太陽光発電設備の所有者、解体・撤去事業者、廃棄物処理業者は、リサイクル及び最終処分について、それぞれの役割を果たす必要があります。特に、解体・撤去業者に対して、処分の方法や有害物質に関する情報を伝達し、適正な解体・撤去及び処分費用を確保することが重要です。』
さらに詳細を記したガイドラインも「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版) 」として、公開されています。
太陽光パネルリサイクルを検討している企業は、太陽光パネルのリサイクルに関わる各ステージでの適切な情報伝達と処理が行えるよう、準備と設備の選定を行いましょう。
廃棄物の再資源化促進する新法「再資源化事業高度化法」
2024年5月22日には参議院本会議で「再資源化事業高度化法」が可決・成立し、一礼する伊藤信太郎環境相が報じられました。
環境保全と再生材の国内での安定循環のためにリサイクルの効率化を目指すこの法律は、太陽光パネルリサイクル事業者に対しても技術支援と経済的インセンティブを提供します。
認定制度が導入され、事業者は廃棄物処理法の特例を利用して迅速に事業を展開できるようになり、先端技術の導入支援があり市場の拡大が見込まれます。
高まりを見せるメーカの間の再生材需要に対して、認定制度はメーカー側と中小の産廃・リサイクル業者との連携を加速させるでしょう。
太陽光パネルリサイクル事業者は、認定取得のプロセスと要件を把握し、持続可能な技術への移行を図ることが求められます。
近年リサイクルが課題になっている
循環型社会形成推進基本法を見ても分かるように、近年では太陽光パネルのリサイクル・リユースが課題になっています。埋立処分を選ぶ業者が増えると、最終処分場が圧迫され、処理が追い付かなくなるリスクがあります。
太陽光パネルの廃棄が増えると言われている2030年問題に備えるには、自社での処分を考えることが大切です。太陽光パネルのリサイクル装置を使えば、装置によって多少変動するものの、製品の80~100%を再利用できます。本サイトでは太陽光パネルのリサイクル装置の選び方を紹介しているので、ぜひ選定に役立ててください。