太陽光パネルリサイクルで用いられるパネルセパレータ
太陽光パネルのリサイクルでは「パネルセパレータ」が用いられることがあります。太陽光パネルリサイクル装置導入を検討しているなら、ぜひパネルセパレータについての基礎知識も知っておきましょう。
パネルセパレータとは
「パネルセパレータ」とは、ガラスに付着しているEVAの密着力を低くするためのものです。EVAを薬液によって剥がし、回収することによって純度の高いガラスを回収しやすい状態にする効果があります。
太陽光パネルに用いられているガラスをリサイクルするには、ガラスのみにしなくてはならず、不純物が混じっていては原料として使えなくなってしまうことがあります。そのため太陽光パネルのガラスをより多くリサイクルするには、パネルセパレータを用いて純粋なガラスを取り出す工程が必要とされます。
パネルセパレータが誕生した背景
太陽光パネルの大部分を占めるのはカバーガラスですが、これにはEVAが付着しているため、分離して純粋なガラスだけを取り出すのは容易ではありませんでした。たとえ取り出せたとしても、割れてしまったり樹脂が残ったりするため、ガラスとして再利用するには制限があったのです。
一方で、このカバーガラスは太陽光パネル全体の重量の約60%を占めています。そのため、ガラスをいかに効率よくリサイクルするかが、太陽光パネルリサイクルにおける重要な課題となっていました。
こうした課題を解決するために開発されたのが「パネルセパレータ」です。パネルセパレータを使用すれば、ガラスからEVAを容易に除去でき、効率的なリサイクルの実現に貢献すると期待されています。
パネルセパレータを用いた太陽光パネルリサイクルの事例
封止材
パネルセパレータを用いて太陽光パネルからリサイクルされたEVA・オレフィンは封止材として活用されています。ただし太陽光パネルメーカーごとに仕様が異なること、複数の素材が用いられていることが問題です。リサイクルの難易度は高いとされています。
※参照元:【PDF】山梨県「ソーラーフロンティアの太陽電池パネルリサイクル取組みについて」
(https://www.pref.yamanashi.jp/documents/106837/04_r50127shiryou4.pdf)
ガラスとしての再利用
そのまま板状のガラスとしても活用されています。パネルセパレータを使用した太陽光パネルリサイクルであればガラスの透明度は比較的保たれており、再利用時にも視覚的な問題が少ないでしょう。ただし、サイズや厚みにばらつきがある点が課題とされています。
※参照元:【PDF】山梨県「ソーラーフロンティアの太陽電池パネルリサイクル取組みについて」
(https://www.pref.yamanashi.jp/documents/106837/04_r50127shiryou4.pdf)
その他の太陽光パネルリサイクルの基礎知識について確認しよう
太陽光パネルにおいて割合の多いガラスをリサイクルするには、パネルセパレータが役立ちます。ガラスからEVAを効率的に除去できるため、リサイクルガラスの用途拡大が期待されています。
しかしこれから太陽光パネルのリサイクル装置を導入したいと考えているなら、パネルセパレータ以外にも知っておくべき知識があります。以下の記事では太陽光パネルリサイクル装置導入前に知っておきたいことについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。