太陽光パネルリサイクル装置専門サイト 【PVまるっと.jp】 » 太陽光パネルリサイクル装置導入前に知りたいこと » 太陽光パネルのケミカルリサイクルとは

太陽光パネルのケミカルリサイクルとは

目次

廃棄された太陽光パネルを別の方法で再利用するために、「ケミカルリサイクル」が注目されています。ケミカルリサイクルの概要やメリット・デメリットを押さえておきましょう。

ケミカルリサイクルとは

ケミカルリサイクルとは、化学的な方法で資源を分解し、原料の状態にして再利用する方法です。

プラスチックのペットボトルを細かくして汚れを落とし、原料の状態にしてから新しいペットボトルとして再利用する方法は、ケミカルリサイクルの代表例です。

一部の太陽光パネル製品にもプラスチックが使われており、ケミカルリサイクルによって分子レベルへの分解が可能です。

近年では、食品廃棄物や家畜のふん尿を発酵させて化学反応を起こし、バイオガス化する方法が採用され、発生するメタンを発電などに用いるケースもみられます。

ケミカルリサイクルのメリット・デメリット

ケミカルリサイクルのメリット

ケミカルリサイクルは原料の状態にして再利用する方法です。限りある天然資源を無駄にせず、環境への負担を減らし、CO2の排出を抑えます。

海洋生物への影響が深刻となっているマイクロプラスチックの発生を減らし、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」や目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成にも貢献できるでしょう。

ケミカルリサイクルのデメリット

ケミカルリサイクルは、1990年代後半から少しずつ周知されてきました。比較的新しい技術であり、分解・処理するための高度な設備と技術が必要なため、まだ十分に実施されているとは言い難い状況です。

太陽光パネルのケミカルリサイクルの事例

熱分解技術によるリサイクル

太陽光発電システムの販売と金属リサイクル事業をそれぞれ手掛ける企業が協働し、熱分解油化・炭化再生資源回収装置を開発した事例です。

この装置は炉内を高温・無酸素状態にすることで、廃棄物の中からリサイクル原料となる再生油を回収するリサイクルプラントとして活用が進められています。

参考元:株式会社動力(https://www.doryoku.co.jp/pyrorenergy.html

総合リサイクルセンターの開発

太陽光電池パネルを対象としたリサイクル事業として、破砕・選別処理したパネルにカルシウムを添加し加熱・水洗処理を行うことで、効率的なガラスリサイクルが可能になった事例です。

2016年度に開始された本事業は、太陽光パネルが100%リサイクル可能な施設として運用されています。

参考元:株式会社高良(http://www.takaryo.co.jp/solarpanel.html

太陽光パネルのケミカルリサイクルを検討しよう

太陽光パネルには金属やガラスが含まれ、適切に廃棄処理をすることで新たな使い道へのリサイクルが可能です。

従来のマテリアルリサイクルをさらに進化させたケミカルリサイクルはSDGsの実現にも貢献するため、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

当サイトでは、太陽光パネルリサイクル装置の種類や導入しやすい装置について紹介しています。導入前に知りたいポイントも紹介していますので、下記のページもぜひ参考にしてください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前について
詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
ピックアップ関連記事