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太陽光パネルリサイクルのアンチモン回収

希少元素、レアメタルの一種であるアンチモンを、廃太陽光パネルから回収する技術の研究が進んでいます。太陽光パネルのカバーガラス部分を粉砕し、水熱処理をすることによってアンチモンを回収すれば、2030年頃から始まるとされる太陽光パネルの大量廃棄時代に向けた有効なリサイクル技術の一つになる可能性があります。

太陽光パネルに利用されるアンチモンとは

太陽光パネルに使用されるアンチモンは、ガラスの透明性を高めるために添加される物質であり、希少元素の一つです。そのため、廃太陽光パネルからのアンチモン回収技術の確立が課題となっていました。国立研究開発法人産業技術総合研究所がカバーガラスからの回収に成功(※1)し、有望なリサイクル技術として注目されています。

このアンチモンはレアメタルの一種として分類されており、多くのアンチモンを産出する中国は2024年9月に輸出規制対象に指定しました(※2)。中国はレアメタルを戦略物資と位置づけており、こうした措置はアンチモンの供給不安定化の要因として懸念されています。

※1参照元:国立研究開発法人産業技術総合研究所(https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250929/pr20250929.html)

※2参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/09997/)

アンチモンの回収が必要な理由

廃棄される太陽光パネルからアンチモンを回収する技術が必要といわれることには、主に以下の3つの理由があるからです。

太陽光パネルの大量廃棄時代に向けたリサイクル技術の必要性

太陽光パネルの寿命は、おおむね20~30年程度です。2010年前後から太陽光発電の本格的な普及が始まり、その当時に設置された太陽光パネルが2030年頃から順次寿命を迎えることになります(※)。

大量に廃棄される太陽光パネルが環境負荷を高めてしまうことが懸念されており、太陽光パネルの各部品をリサイクルする技術の確立が求められています。他の部品と同様に、カバーガラスからアンチモンを回収し再資源化する技術は、リサイクル率の向上に不可欠です。

※参照元:資源エネルギー庁(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/saiene/saienerekishi.html)

地政学リスクによる供給不安への対策

主要なアンチモン産出国である中国の輸出規制が象徴するように、レアメタルは政治的な思惑による供給不安のリスクが付きまといます。日本はアンチモン調達の大部分を輸入に依存しており、国内で廃棄される太陽光パネルからアンチモンを回収できることで「都市鉱山」としての活用が期待できます。

有害物質の排出削減

アンチモンは希少な素材であるため工業分野での利用価値は高いですが、その一方で人体に有害な物質でもあります。リサイクルされずに排出されたアンチモンが環境破壊を引き起こす危険性があり、太陽光パネルの大量廃棄時代にそのリスクが高まる恐れがあります。アンチモンのリサイクル技術を確立して、自然環境への悪影響を抑えることが重要です。

アンチモン回収に向けて進む技術開発

アンチモンは、太陽光パネルのカバーガラス部分に含まれています。このガラスを粉砕し、水熱処理をすることによってアンチモンを分離・抽出し、が再資源化されます。粉末状になったガラスの原料は、ガラスの材料として再利用が可能です。

他にも太陽光パネルリサイクルの基礎知識を確認しよう

カバーガラスを粉砕し、アンチモンを分離・抽出する技術は、太陽光パネルからレアメタルを回収・再資源化する技術として注目を集めています。2030年頃から始まる太陽光パネルの大量廃棄に備えて、リサイクル技術のさらなる進歩が必要です。

太陽光パネルを再資源化するために、リサイクル装置がすでに実用化されています。下記のページでは、リサイクル装置についての情報を掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

太陽光パネルリサイクル装置導入前に
知りたいことについて詳しく見る

太陽光パネルリサイクル装置の
形状と特徴の違い

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」がカギ

太陽光パネルリサイクル装置は、アルミ枠を剥離する「アルミ枠剥離機能」 とガラスとバックシートを剥離する「ガラス剥離機能」が必要です。

太陽光パネルリサイクル装置は、これらの機能が別になっている「分離型」と全て一体 になった「一体型」があり、それぞれ特徴があります。 工場の規模や目的に合わせて選択しましょう。

安さ・省スペースを求めるなら
分離型
分離型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離装置」と「ガラス剥離装置」の別々に使用する方式。アルミ剥離後にガラスを剥離する際、太陽光パネルを手動で移動させる必要があります。

メリット
  • シンプルな構造のため低価格で導入可能
  • 2つの機能を連携させるパーツがないため、小さいサイズの装置が多い
デメリット
  • パネルを装置間で移動させる必要があり、手間が発生する
  • シンプルな構造のため自動化されている機能が少なく、素材の回収等の手作業が多い
作業の効率化を求めるなら
一体型
一体型イメージ

(※)製品イラストはイメージです。

「アルミ枠剥離機能」と「ガラス剥離機能」が一体になった装置。パネルを持ち運ぶことなく、最終処理まで一貫して行えます。装置により、多少のパネル移動を行う必要があります。

メリット
  • パネルを移動させる手間がなく、最終工程まで処理可能。
  • 作業工数が少ないため、大量処理が容易
デメリット
  • 自動化されている機能が多く複雑な構造のため、費用が高い
  • 装置が比較的大きく、工場の規模によって導入できない場合あり
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